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2017-05-27

コマンドープロデュース公演「祖国は我らのために」観戦記!(ネタバレあり注意!

人生いろいろある真っ最中なんですが、本日観劇して参りました。
コマンドープロデュース公演「祖国は我らのために」

タイトルの通りロシアのお話です。今回ネタバレありでお話するのは今回の上演は史実そのままの歴史がストーリーにあたるものだからです。
観た感想も芝居を観たというより記録映画を見たような気持ちになるものですが、でも十分にいろんなことを考えさせられる刺激に満ちたものでした。
エンタメ性の高いものを求めていくと少し合わないかもしれませんが、あの当時の熱量を切り出してきて目の前で繰り広げられていると思うと中々に興味深いものだと思います。

今回のこの芝居は総勢35人の出演者たちがもうひたすらに熱量を発揮して2月革命から始まる革命の姿をエネルギー変換して見せてくれるような世界でした。
泣かせるセリフも感動するストーリーもなく、ただひたすらに革命思想のもとに突き進む貧しき農民たちが時代に翻弄されるのを見守るしかない。
私はこの歴史の先を知っていて、この先どうなるのか知っていて、その裏にあるもの、彼らの失敗、彼らの成功、世界の移り変わりもみんな知っている。
あの瞬間にそこにあった叫びを聞いて、叫びをあげる女たちの過ちと哀れを観ながら、勝利の喜びにわく彼らのその後の惨劇を思う。
怒涛の勢いでロシア帝国がソビエト連邦になる姿を追うわけですが、その姿を見せると同時に、民衆に訴えるプロパガンダと言うものについても改めて考えさせられました。
レーニンやトロツキーが演説で沸き上がらせるその手法は、この芝居で熱量をもって訴えかけてくる民衆たちの叫びと同じものなのですよね。
それはこの芝居自体がプロパガンダ的扇動を熱量をもって体感させてくれるところに皮肉も感じます。
必至に叫ぶ姿を見て心動かされる人たちは多かったと思います。女たち、男たち、兵士たちの切なる願いは胸に響きます。
でも、それを叫ぶ姿を利用する者たちもいるのです。
トロツキーなんかはその最先鋒ですよね。あそこで同志を扇動して、叫ばせて、まとめ上げそして動かす。
このお芝居を観て気持ちが逸るのは、まさしくトロツキーの洗脳に感化されているともいえる。
途中、ロシアに戻ったレーニンが民衆を足場に手を伸ばすシーンがあります。
あれは当時プロパガンダで使用されていたレーニンのポスターにそっくりです。
その姿こそが民衆を立ち上がらせる扇動となっている。

でも、彼らの裏にあったものは何だったでしょう

そう考えると結構怖いものも見えてきます。そこにあるのは決して感動だけではありません。
策略、陰謀、粛清、非情な決断。今の世界でもいろんなこと叫ぶ人たくさんいますよね?
形振り構わぬ人、耳当たりのいい言葉を吐く人、逆に不快な態度でも関心を引いて言葉を聞かせようとする人。
今回の祖国は我らのためにを観て、私たちがまたあの哀れな労働階級者と同じようなことに陥らないために必要なものは何か。
そういう深いものすら考えさせられました。
歴史を学ぶことは決して無駄なことではないのです。あの世界に生きた人たちの叫ぶが無駄にならないように私たちが生きるためにも。

と、結構延々といろいろ考えられて、個人的には充実した2時間だったと思います。

あと、割と気に入ってるのはトロツキーがちゃんとイケメンメガネなのが好感度高いですw
彼は実際スターリンにイケメンだけど役立たずって言われてるんですよw

そして私的に特筆すべきはまだまだ感度は高いぜ超絶推しメン関幸治様センサー!
もうどんなに証明落ちして群衆の中に紛れ、慌ただしく動いても必ず見つけ出しますw
と言うかもうオートで目が追うw
役的に立った軍曹はもちろん素敵でしたが、ほかのシーンで農民と交じり戦うシーンも、暴動を抑え込もうとしているシーンも、最後に革命の露と消えるシーンまで本当に目が離せませんでした。
髭がまたいい!(震
プロパガンダを堪能する傍ら萌えにも勤しんでまいりましたが、怪しい感じに感情移入してたので最後軍曹が倒れるシーンはちょっと涙ぐんでしまいました。

もう一回くらい観たかったなぁと思いますが、明日はキャンセル待ちだそうで断念。

そんな感じで結局関さん萌えじゃんと言われてしまいそうですが、観戦記はこの辺りで示させていただきます。
観に行かれる皆様はどうぞあのロシアの熱量を是非堪能してきてください。なかなかできない経験かと思います!

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